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平成30年度自治会長視察研修報告

 まず、平成29年7月5日から6日にかけて福岡県と大分県を中心とする地域での集中豪雨により、被災された方々には、お見舞い申し上げますとともに、一日も早い復興をお祈りいたします。

 11月21日(水)~22日(木)の2日間、市内32校区の自治会長会から2名ずつ、今回は協議会の理事以外の自治会長の方々が多く参加されて、平成29年7月九州北部豪雨の被災地へ視察を行いました。

 1日目は、福岡県朝倉郡東峰村へ。
 東峰村へ行く道中、被害が大きかった朝倉市松末地区の現状も車中から見ることができ、至る所で工事が行われており、被災から1年以上経過した現在でも、復興までの道のりが大変であることを実感しました。
 今回、現地での説明を受け入れてくださった「東峰村ツーリズム協会」は、被災当時は東峰村役場で河川の増水や土砂崩れ、道路の通行止めの対応など、現場で走り回られていた村役場の元職員の方が起業され、現在は東峰村のガイド役として、被災当時の状況を詳しく伝えるだけではなく、東峰村観光のコーディネートをされたりと、復興に向けての活動をされています。
 被災した村内の2ヶ所でバスから降車し、写真や資料を使って、最前線での緊迫した現場の様子や被災状況など、丁寧にお話していただきました。
 そのお話の中には、数十年に一度、数百年に一度の災害が、近年は普通に起こるということを頭に入れて避難行動に役立てなくてはいけないなど、実際に経験されたことを教えていただきました。
 そして、やはり地域の力、住民同士の助け合いが災害の時にはとても重要になってくることも熱くお話しされ、隣近所の繋がりや声かけ、また、地域で行われる防災訓練を続けていくことは、被害を最小限にするためにとても大事なことだと説明されました。自治会長のみなさんも、自分たちの身になり真剣に耳を傾け、たくさんの質問もされていて、各地区の自主防災活動などに、とても参考になる視察となりました。





 2日目は、福岡県朝倉市へ。
 平成29年7月九州北部豪雨で、最も被害が大きかったのが福岡県朝倉市でした。
 朝倉市では、24時間の降水量が観測史上1位の値を更新するなど、これまでの観測記録を更新する大雨となりました。
 朝倉市の視察では「三連水車の里あさくら」の館長さんより、現地にて三連水車の説明と当時の状況について、詳しくお話いただきました。
 江戸時代に設置された「三連水車」と「堀川用水路」は、200年以上現役で田んぼに水を引く“農業遺産”として、国指定史跡に指定されています。「三連水車」は朝倉市のシンボルでもあります。
 九州北部豪雨によって堀川用水路には大量の土砂や流木が流れ込み、水が引いても三連水車は土砂に埋もれ、再建は不可能と思われるような状態であったものの、地元住民の手により1ヶ月ほどで復旧して、今年は10月中旬まで稼動し農地を潤したそうです。
 視察の時は非稼動の時期で、柄杓や羽板は取りはずされた状態ではありましたが、水車の大きさや水路の長さなど、200年以上も前に考えられ作られたことに驚き、その水車が災害にも負けず地元の方々の力で今も実働しているということに、朝倉市の復興のシンボルでもあるのだと実感しました。
 朝倉市と同じような地形は佐賀にもあり、災害当時の集中豪雨の状況や避難等の状況、これからの復興についてなど、質疑応答も活発にされました。



 今回の視察では、九州北部豪雨の被災地を訪れ、現地に立ち、実際に経験をされた方からのお話を聞くことができたことは、とても貴重な経験となりました。隣県で、このような甚大な被害が起きたことを改めて思い返し、被災地の復興を願うとともに、これから自分たちに何が出来るのか、各個人の防災意識や自治会としての地域自主防災の取り組みについてなど、様々な視点からそれぞれの自治会における、現状や課題について情報交換・意見交換をすることができました。
 さらには、今回の視察に参加できなかった自治会長の方々にも現地でお話を聞きかせたい、地元の防災訓練でお話をして欲しいなどの意見もあり、近年様々な地域で起こる災害に備えるという意識がさらに高まる、とても良い機会となりました。

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